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アジア系米国人女性で低い検出率卵巣がんBRCA遺伝子変異スクリーニング

米国で圧倒的に多い卵巣がん、乳がんですが、最近アジアでも増加しています。アジア系米国人女性におけるBRCA1またはBRCA2遺伝子の変異は著しく過小評価され,乳がんや卵巣がんの発症にかかわるこれら遺伝子変異の50%が検出されていないことが報告されました(Journal of Clinical Oncolog(2008;26:4752-4758))。

遺伝子検査が必要か否かを判定するために白人向けに開発されたBRCAPROとMyriad IIモデルは,アフリカ系米国人やヒスパニック系の両集団においても,遺伝子変異リスクを正確に予測できるが,アジア系の集団に対しては予測精度が劣るといいます。

白人向けに開発されたBRCAPROとMyriad IIモデルは、遺伝子検査が必要かどうかだけを予測するものですから、卵巣がんの発症、あるいは治療にはほとんど影響はないでしょう。

卵巣がんにおいてBRCA1またはBRCA2遺伝子の変異は10%以下(これも環境因子によって起こります)ですので、やはり卵巣がん発症には環境因子が大きいです。アメリカで暮らすアジア人も環境は白人と同じになりますので、当然卵巣がん、乳がんは今回の論文のように過小評価されているということですので、今後増加していくでしょう。これは、日本に住む私たちが卵巣がんを発症させない、進展させないためには、一般的なアメリカ式の生活習慣と正反対を行えばよいということになります。


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