更年期障害：ホルモン補充治療が高血圧発症に関連

ホルモン補充療法（HRT）は高血圧発症に関連しており，56歳未満，56〜61歳では6割のリスク増加が認められ，使用期間が長いほどリスクは高まっていたことが報告されました（PLoS One 2012年7月11日オンライン版）。

リスク上昇は，導入時期，中止してからの時間の長さによらないことが示されています。米食品医薬品局（FDA）の勧告では、必要最小限の期間行うべきとなっていますが、明らかにリスクがメリットを上回っています。ライフスタイルを変えることが一番、安全で更年期障害には効果的なのです。

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→45 and Up Studyは，45歳以上の中高年者約27万人を対象とした加齢に関する大規模コホート研究。Chiu氏らは，子宮があり，更年期以前にHRTを受けていない閉経後女性4万3,405人のデータを獲得。年齢層別にHRTと高血圧の関連を調べた。

その結果，高血圧は過去あるいは現在のHRT使用者（以下，使用者）1万2,443人中2,536人（20％），過去および現在のHRT非使用者（以下，非使用者）3万962人中5,149人（17％）に認められた。

HRTの使用率は，高血圧の家族歴あり，身体活動量が十分，飲酒習慣あり，過去の経口避妊薬の使用歴あり，過去の喫煙歴あり（喫煙歴なしとの比較）で高かった。一方，現在の喫煙者，出産経験あり，BMI 30超（BMI 25未満との比較）で使用率が低かった。

人口統計学および生活習慣の要因を調整した使用者の非使用者に対する高血圧の調整後オッズ比は，56歳未満で1.59（95％CI 1.15〜2.20），56〜61歳で1.58，（同1.31〜1.90），62〜70歳で1.26（同1.10〜1.44），71歳以上で1.05（同0.91〜1.21）と，年齢が低いほど顕著な上昇を示した。

平均閉経年齢は使用者48.2歳，非使用者49.8歳で，使用者の方が1.6年早く，HRTの平均導入年齢は51.6歳だった。高血圧発症の平均年齢は，使用者が58.5歳，非使用者が61.3歳であった。

HRT使用期間（2年未満，2〜4年，5〜9年，10年以上）が長くなるほど高血圧のオッズ比は上昇する傾向があったが，この関連も加齢とともに減弱し，71歳以上のグループでは有意な関連は認められなかった。

HRT使用者のみに限った解析では，HRT導入年齢やHRT中止からの年数と高血圧の間に有意な関連はなかった。

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