男性ホルモン投与で更年期障害が緩和
副腎から分泌される男性ホルモンの一種であるDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)が、女性の更年期障害(更年期症状:menopausal symptom)の緩和のほか、性生活の向上にも有用である可能性が論文報告されました(Climacteric 12月号)。
今回の研究では、1年間不快な症状に苦しむ閉経後女性48人を12人ずつ4群に割り付け、骨粗鬆(しょう)症予防のためのビタミンDおよびカルシウム、低用量のDHEA、標準的なホルモン補充療法(HRT)に用いられるエストロゲンとプロゲステロン、更年期障害治療および骨粗鬆症予防に用いられる合成ステロイド薬tibolone(日本国内未承認)をそれぞれ投与しました。その後、1年間にわたり被験者の更年期障害および性的な関心・活動性を観察しています。
観察期間終了時、ホルモン補充を行った群はいずれも更年期障害の改善がみられましたが、ビタミンD・カルシウム群には有意な改善は認められませんでした。
また、DHEA群には統計学的に有意な性的関心・活動性の向上がみられ、HRT群と同程度の結果でした。
少数のサンプルによる予備的研究であるため、より大規模な研究が必要とされます。
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