更年期障害：肥満女性のホットフラッシュ減量介入プログラムで改善

更年期障害の一つの主症状であるホットフラッシュ（のぼせ）を経験している過体重または肥満の更年期女性では、集中的な減量介入プログラムによって症状が改善されるという研究結果が報告されました（Archives of Internal Medicine（2010; 179: 1161-1167））。

ホットフラッシュは更年期女性の最も一般的な症状の1つで、女性の3人に1人で閉経後5年以上にわたり持続します。興味深いことですが、複数の観察研究から、高BMIの女性では、低BMIの女性よりもホットフラッシュの頻度または重症度が高いことが報告されています。

つまり、肥満の女性の方が更年期障害の一つの主症状であるホットフラッシュを経験しやすいということです。

今回の6か月間のランダム化比較試験では、過体重または肥満で尿失禁を呈する女性338例（平均年齢53歳）を対象に、自己記入質問票を用いて ホットフラッシュを評価しました。そのうち226例を集中的な減量介入群に、112例を対照群にランダムに割り付けました。

ベースライン時に軽度でもホットフラッ シュに悩まされている女性は、両群とも約半数。対照群と比べて、介入群では、ベースライン時の身体活動量がやや多かったが、ホットフラッシュを含む他の特徴に関しては、両群間に有意差は認められませんでした。

介入群には、6か月間で体重が平均7〜9％減少するようにデザインされたライフスタイルと行動の修正プログラムが割り当てられました。

介入群は栄養、 運動、行動変化の専門家が指導する1時間のグループセッションに週1回参加し、速足のウオーキングまたは同等強度の身体活動を少なくとも週200分間行うように奨励されました。また、カロリー制限食（1,200〜1,500kcal/日）を遵守し、食事療法プランのサンプルと不足している栄養を補う食品を与えられました。

その結果、試験開始時にホットフラッシュを報告した女性では、体重、BMI、腹囲の減少がホットフラッシュの改善と関連していていました。しかし、身体活動、カロリー摂取、血圧、身体機能と精神機能の変化とホットフラッシュの改善は関連していませんでした。

身体活動やカロリー制限食は総合的に体重、BMI、腹囲の減少に働いています。こうした一連の肥満防止策は実は慢性炎症疾患の生活習慣の要でもあります。更年期障害のホットフラッシュにも生活習慣改善が効果を出すことが肥満女性の結果からは導かれるという報告でした。

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