血液検査で閉経時期の予測が可能に

閉経にともなって更年期障害がホルモンの変調によって起こりますが、閉経の時期は女性によってさまざまです。

欧州ヒト生殖学会（ESHRE）年次集会で、簡便な血液検査で、女性の閉経時期の正確な予測が可能になることが報告されました。

この検査は、卵巣細胞より産生され、卵胞の成長を制御する働きのある抗ミュラー管ホルモン（AMH）の濃度を測定するもの。今回の研究では、定期的に身体検査を受け、社会経済的背景と妊娠出産歴に関する情報を提供する被験者（この研究に参加した女性の閉経年齢は平均52歳）から数年おきに採取した血液検体を分析。その結果、以下のことが明らかになりました。

• 血液中のAMH値が、20歳で4.1ng/ml以下、25歳で3.3ng/ml以下、30歳で2.4g/ml以下の場合、早期（45歳前）の閉経が予測される。
• AMH値が20歳で4.5ng/ml以上、25歳で3.8ng/ml以上、30歳で2.9ng/ml以上であれば閉経は50歳以降であると予測される。

血清中のAMH濃度を1 回測定するだけで閉経年齢を推定できる統計モデルを開発し、このモデルを用いて、生殖年齢の異なるさまざまな時点で血清AMH値から平均閉経年齢を推定しました。その結果、研究期間中に閉経した63人の女性について、このモデルによる推定結果と実際の閉経年齢が良好に一致していることが示されました。このモデルを用いて予測した閉経年齢と実際の年齢の平均誤差はわずか4カ月で、最大誤差は3〜4年というものでした。

この結果から更年期障害の予測だけでなく、女性の家族計画（ライフプラン）にも有用であるかも知れません。今後の知見の集積が待たれるところです。

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