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少量の飲酒でも乳がんリスクが上昇


週にワイン3〜6杯程度の少量の飲酒でも,乳がんリスクがわずかではあるが有意に上昇することが論文発表されました(JAMA 2011; 306: 1884-1890)。

アルコール摂取と乳がんリスクとの関連性は複数の研究で示されていましたが,少量の飲酒による乳がんリスクへの影響は今回が初めての発表となります。

少量〜中等量の飲酒が乳がん発症に及ぼすわずかなリスク上昇を考えると、機会飲酒に限る方がよいと考えます。

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→今回,女性看護師保健研究(NHS)の参加者10万5,986例を対象に前向き観察研究を行い,アルコール摂取量や飲酒頻度,飲酒時期と乳がんとの関係を評価した。追跡期間は1980〜2008年で,主要エンドポイントは浸潤性乳がん発症の相対リスク(RR)とした。

追跡期間中に7,690例が浸潤性乳がんと診断された。解析の結果,1日5.0〜9.9gの少量のアルコール摂取(グラスワイン換算で週に3〜6杯程度に相当)でも,全く飲酒しない女性に比べて乳がんリスクは上昇した(RR 1.15,333例/10万人年)。同リスクの上昇は,わずかではあったが統計学的に有意であった。

また,同リスクはアルコール摂取量の増加とともに高まった。1日に30g以上(1日2杯以上)のアルコールを摂取する女性では,アルコールを全く摂取しない女性と比べた乳がんのRRは1.51であった(413例/10万人年)。

さらに,18〜40歳と40歳超の両年齢層における累積飲酒量と乳がんリスクとの関連を検討。その結果,両年齢層の飲酒量はいずれも乳がんリスク上昇と強く関連していた。18〜40歳時の飲酒量と乳がんリスクとの関連は,40歳超の飲酒量の影響を調整しても認められた。

飲酒パターンに関しては,深酒が累積飲酒量の調整後にも乳がんリスクとの関連が認められた。一方,飲酒の頻度と同リスクとの関連は認められなかった。


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